タミフル 添付文書 [インフルエンザ症状]
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タミフル 添付文書
一般名 オセルタミビルリン酸塩シロップ用 規格 3%1g
薬効 6250
病原生物に対する医薬品
化学療法剤
抗ウイルス剤
抗ウイルス剤 薬価 237.20
区分 製造メーカー 中外製薬
販売メーカー 中外製薬
用法/用量 1.治療に用いる場合:
1).成人:オセルタミビルとして1回75mgを1日2回、5日間、用時懸濁して経口投与する。
2).幼小児:オセルタミビルとして1回2mg/kg(ドライシロップ剤として66.7mg/kg
)を1日2回、5日間、用時懸濁して経口投与する。但し、1回最高用量はオセルタミビルとして75
mgとする。
2.予防に用いる場合:
1).成人:オセルタミビルとして1回75mgを1日1回、7~10日間、用時懸濁して経口投与す
る。
2).幼小児:オセルタミビルとして1回2mg/kg(ドライシロップ剤として66.7mg/kg
)を1日1回、10日間、用時懸濁して経口投与する。但し、1回最高用量はオセルタミビルとして7
5mgとする。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
1.治療に用いる場合には、インフルエンザ様症状の発現から2日以内に投与を開始する(症状発現か
ら48時間経過後に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない)。
2.予防に用いる場合には、次の点に注意して使用する。
1).予防に用いる場合には、インフルエンザウイルス感染症患者に接触後2日以内に投与を開始する
(接触後48時間経過後に投与を開始した場合における有効性を裏付けるデータは得られていない)。
2).インフルエンザウイルス感染症に対する予防効果は、本剤を連続して服用している期間のみ持続
する。
3.成人の腎機能障害患者では、血漿中濃度が増加するので、腎機能の低下に応じて、次のような投与
法を目安とする(外国人における成績による)。小児腎機能障害等の患者での使用経験はない。
1).治療の場合:成人の腎機能障害患者では、血漿中濃度が増加するので、腎機能の低下に応じて、
次のような投与法を目安とする;Ccr>30mL/分:1回75mg1日2回、10mL/分<Cc
r≦30mL/分:1回75mg1日1回、Ccr≦10mL/分:推奨用量は確立していない[Cc
r:クレアチニンクリアランス]。
2).予防の場合:成人の腎機能障害患者では、血漿中濃度が増加するので、腎機能の低下に応じて、
次のような投与法を目安とする;Ccr>30mL/分:1回75mg1日1回、10mL/分<Cc
r≦30mL/分:1回75mg隔日又は1回30mg1日1回、Ccr≦10mL/分:推奨用量は
確立していない[Ccr:クレアチニンクリアランス]。
<参考>
国外では、幼小児における本剤のクリアランス能を考慮し、次に示す体重群別固定用量が用いられてい
る。
体重15kg以下の幼小児:固定用量はオセルタミビルとして1回30mg(治療に用いる場合は1日
2回、予防に用いる場合は1日1回)。
体重15kgを超え23kg以下の幼小児:固定用量はオセルタミビルとして1回45mg(治療に用
いる場合は1日2回、予防に用いる場合は1日1回)。
体重23kgを超え40kg以下の幼小児:固定用量はオセルタミビルとして1回60mg(治療に用
いる場合は1日2回、予防に用いる場合は1日1回)。
体重40kgを超える幼小児:固定用量はオセルタミビルとして1回75mg(治療に用いる場合は1
日2回、予防に用いる場合は1日1回)。
効能/効果 A型インフルエンザウイルス感染症又はB型インフルエンザウイルス感染症及びA型インフ
ルエンザウイルス感染症又はB型インフルエンザウイルス感染症の予防。
<効能・効果に関連する使用上の注意>
1.治療に用いる場合には、A型又はB型インフルエンザウイルス感染症と診断された患者のみが対象
となるが、抗ウイルス薬の投与がA型又はB型インフルエンザウイルス感染症の全ての患者に対しては
必須ではないことを踏まえ、患者の状態を十分観察した上で、本剤の使用の必要性を慎重に検討し、特
に、幼児及び高齢者に比べて、その他の年代ではインフルエンザによる死亡率が低いことを考慮する。
2.予防に用いる場合には、原則として、インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家
族又は共同生活者である高齢者(65歳以上)、慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患患者、代謝性疾患患者
(糖尿病等)、腎機能障害患者を対象とする。
3.1歳未満の患児(低出生体重児、新生児、乳児)に対する安全性及び有効性は確立していない。
4.本剤はA型又はB型インフルエンザウイルス感染症以外の感染症には効果がない。
5.本剤は細菌感染症には効果がない。
副作用 ドライシロップ剤(1~12歳の幼小児)の承認時までの臨床試験70例において、副作用は3
5例(50.0%)に認められた。主な副作用は、嘔吐17件(24.3%)、下痢14件(20.0
%)等であった(承認時)。
製造販売後の調査2,814例において、副作用は161例(5.7%)に認められた。
主な副作用は、下痢63件(2.2%)、嘔吐40件(1.4%)、低体温23件(0.8%)、発疹
22件(0.8%)等であった[再審査終了時(治療)]。
1.重大な副作用
1).ショック、アナフィラキシー様症状(頻度不明):ショック、アナフィラキシー様症状が現れる
ことがあるので、観察を十分に行い、蕁麻疹、顔面浮腫・喉頭浮腫、呼吸困難、血圧低下等が現れた場
合には投与を中止し、適切な処置を行う。
2).肺炎(頻度不明):肺炎の発症が報告されているので、異常が認められた場合にはX線等の検査
により原因(薬剤性、感染性等)を鑑別し、適切な処置を行う。
3).劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(頻度不明):劇症肝炎等の重篤な肝炎、著しいAST上昇(著し
いGOT上昇)、著しいALT上昇(著しいGPT上昇)、著しいγ-GTP上昇、著しいAl-P上
昇等を伴う肝機能障害、黄疸が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には
、投与を中止し、適切な処置を行う。
4).皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(Tox
ic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明):皮膚粘膜眼症候群、中毒
性表皮壊死融解症等の皮膚障害が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた
場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。
5).急性腎不全(頻度不明):急性腎不全が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認め
られた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行う。
6).白血球減少、血小板減少(頻度不明):白血球減少、血小板減少が現れることがあるので、観察
を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行う。
7).精神・神経症状(頻度不明):精神・神経症状(意識障害、異常行動、譫妄、幻覚、妄想、痙攣
等)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、症状に応
じて適切な処置を行う。
8).出血性大腸炎(頻度不明):出血性大腸炎が現れることがあるので、血便、血性下痢等の異常が
認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
2.その他の副作用:次のような副作用が現れた場合には、症状に応じて投与を中止するなど、適切な
処置を行う。発現頻度は承認時までの臨床試験及び製造販売後調査の結果をあわせて算出した。
1).皮膚:(頻度不明)皮下出血、(0.1%以上)発疹(0.8%)、紅斑(多形紅斑を含む)、
(0.1%未満)蕁麻疹、皮膚そう痒症。
2).消化器:(頻度不明)口唇炎、血便、メレナ、吐血、消化性潰瘍、腹部膨満、口腔内不快感、食
欲不振、(0.1%以上)下痢(2.8%)、嘔吐(2.0%)、腹痛、悪心、(0.1%未満)口内
炎(潰瘍性口内炎を含む)、便異常。
3).精神神経系:(頻度不明)眩暈、頭痛、不眠症、感覚鈍麻、悪夢、(0.1%未満)激越、嗜眠
、傾眠、振戦。
4).循環器:(頻度不明)上室性頻脈、心室性期外収縮、心電図異常(ST上昇)、動悸。
5).肝臓:(頻度不明)γ-GTP増加、Al-P増加、(0.1%以上)ALT増加(GPT増加
)、AST増加(GOT増加)。
6).腎臓:(頻度不明)血尿、蛋白尿。
7).血液:(頻度不明)好酸球数増加。
8).呼吸器:(頻度不明)咳嗽、(0.1%以上)鼻出血、気管支炎。
9).眼:(頻度不明)視覚障害(視野欠損、視力低下)、霧視、複視、眼痛、(0.1%未満)結膜
炎。
10).その他:(頻度不明)疲労、不正子宮出血、耳障害(耳灼熱感、耳痛等)、浮腫、血中ブドウ
糖増加、背部痛、胸痛、(0.1%以上)低体温(0.8%)、(0.1%未満)発熱。
使用上の注意 (警告)
1.本剤の使用にあたっては、本剤の必要性を慎重に検討する。
2.10歳以上の未成年の患者においては、因果関係は不明であるものの、本剤の服用後に異常行動を
発現し、転落等の事故に至った例が報告されている。このため、この年代の患者には、合併症、既往歴
等からハイリスク患者と判断される場合を除く10歳以上の未成年は、原則として本剤の使用を差し控
える。また、小児・未成年者については、万が一の事故を防止するための予防的な対応として、本剤に
よる治療が開始された後は、小児・未成年者については、①異常行動の発現の恐れがあること、②自宅
において療養を行う場合、少なくとも2日間、保護者等は小児・未成年者が一人にならないよう配慮す
ることについて患者・家族に対し説明を行う。なお、インフルエンザ脳症等によっても、同様の症状が
現れるとの報告があるので、インフルエンザ脳症等によっても、①異常行動の発現の恐れがあること、
②自宅において療養を行う場合、少なくとも2日間、保護者等は小児・未成年者が一人にならないよう
配慮することについて患者・家族に対し説明を行う。
3.インフルエンザウイルス感染症の予防の基本はワクチン療法であり、本剤の予防使用はワクチン療
法に置き換わるものではない。
(禁忌)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある者。
(慎重投与)
高度腎機能障害患者。
(重要な基本的注意)
1.本剤は腎排泄型の薬剤であり、腎機能低下している場合には血漿中濃度が高くなる恐れがあるので
、本剤の投与に際しては、クレアチニンクリアランス値に応じた<用法・用量に関連する使用上の注意
>に基づいて、状態を観察しながら慎重に投与する。
2.細菌感染症がインフルエンザウイルス感染症に合併したり、インフルエンザ様症状と混同されるこ
とがあるので、細菌感染症の場合には、抗菌剤を投与するなど適切な処置を行う。
(高齢者への投与)
国外で実施されたカプセル剤による臨床試験成績では、副作用の頻度及び種類は非高齢者との間に差は
認められていないが、一般に高齢者では、生理機能(腎機能、肝機能等)の低下や、種々の基礎疾患を
有することが多いため、状態を観察しながら投与する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に投与する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると
判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない、動物実験(ラット)
で胎盤通過性が報告されている]。
2.授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせる[ヒト母乳中へ移行することが報告されている]。
(小児等への投与)
1.1歳未満の患児(低出生体重児、新生児、乳児)に対する安全性は確立していない。
2.国外で実施されたドライシロップ剤による第3相治療試験において、体重8.1kg未満の幼小児
に対する使用経験はない。
(過量投与)
現時点では、過量投与による有害事象が発生したとの報告はないが、国外での健康成人を対象としたカ
プセル剤による第1相臨床試験において、1回200mg以上の投与により嘔気、嘔吐、眩暈(浮動性
眩暈)が報告されている。
(その他の注意)
1.国内で実施されたカプセル剤による第3相予防試験において、糖尿病が増悪したとの報告が1例あ
る。また、国外で実施されたカプセル剤による第3相予防試験では、糖代謝障害を有する被験者で糖尿
病悪化又は高血糖が7例にみられた。非臨床試験においては、臨床用量の100倍までの用量において
糖代謝阻害は認められていない。
2.国外で実施されたカプセル剤による慢性心疾患患者及び慢性呼吸器疾患患者を対象とした第3相治
療試験において、インフルエンザ罹病期間に対する有効性ではプラセボに対し有意な差はみられていな
い。しかし、本剤投与によりウイルス放出期間を有意に短縮し、その結果、発熱、筋肉痛/関節痛又は
悪寒/発汗の回復期間が有意に短縮した。
3.国外で実施されたドライシロップ剤による慢性喘息合併小児を対象とした第3相治療試験において
、有効性を検証するには至っていない。一方、安全性において特に大きな問題はみられていない。
4.シーズン中に重複してインフルエンザに罹患した患者に本剤を繰り返して使用した経験はない。
5.国外ではドライシロップ剤及びカプセル剤による免疫低下者の予防試験において、12週間の投与
経験がある。
6.幼若ラットの単回経口投与毒性試験において、オセルタミビルリン酸塩を394、657、788
、920、1117、1314mg/kgの用量で単回経口投与した時、7日齢ラットでは薬物に関連
した死亡が657mg/kg以上で認められた。しかし、394mg/kgを投与した7日齢ラット及
び1314mg/kgを投与した成熟ラット(42日齢)では死亡は認められなかった。
7.幼若ラットの単回経口投与トキシコキネティクス試験において、毒性が認められなかった用量にお
けるオセルタミビルの脳/血漿中AUC比は、7日齢ラットで0.31(394mg/kg)、成熟ラ
ット(42日齢)で0.22(1314mg/kg)であった。
(取扱い上の注意)
1.使用期限内であっても開栓後はなるべく速やかに使用する。
2.吸湿性があるので、開栓後密栓・防湿。
3.開栓後4週間以上保存する場合は、冷蔵庫又は冷所(10℃以下)で保存する。なお使用時は、結
露を避けて開栓する。
(保険給付上の注意)
本剤は「A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の発症後の治療」の目的で使用した場合にのみ保
険給付される。
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タミフル 添付文書
一般名 オセルタミビルリン酸塩シロップ用 規格 3%1g
薬効 6250
病原生物に対する医薬品
化学療法剤
抗ウイルス剤
抗ウイルス剤 薬価 237.20
区分 製造メーカー 中外製薬
販売メーカー 中外製薬
用法/用量 1.治療に用いる場合:
1).成人:オセルタミビルとして1回75mgを1日2回、5日間、用時懸濁して経口投与する。
2).幼小児:オセルタミビルとして1回2mg/kg(ドライシロップ剤として66.7mg/kg
)を1日2回、5日間、用時懸濁して経口投与する。但し、1回最高用量はオセルタミビルとして75
mgとする。
2.予防に用いる場合:
1).成人:オセルタミビルとして1回75mgを1日1回、7~10日間、用時懸濁して経口投与す
る。
2).幼小児:オセルタミビルとして1回2mg/kg(ドライシロップ剤として66.7mg/kg
)を1日1回、10日間、用時懸濁して経口投与する。但し、1回最高用量はオセルタミビルとして7
5mgとする。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
1.治療に用いる場合には、インフルエンザ様症状の発現から2日以内に投与を開始する(症状発現か
ら48時間経過後に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない)。
2.予防に用いる場合には、次の点に注意して使用する。
1).予防に用いる場合には、インフルエンザウイルス感染症患者に接触後2日以内に投与を開始する
(接触後48時間経過後に投与を開始した場合における有効性を裏付けるデータは得られていない)。
2).インフルエンザウイルス感染症に対する予防効果は、本剤を連続して服用している期間のみ持続
する。
3.成人の腎機能障害患者では、血漿中濃度が増加するので、腎機能の低下に応じて、次のような投与
法を目安とする(外国人における成績による)。小児腎機能障害等の患者での使用経験はない。
1).治療の場合:成人の腎機能障害患者では、血漿中濃度が増加するので、腎機能の低下に応じて、
次のような投与法を目安とする;Ccr>30mL/分:1回75mg1日2回、10mL/分<Cc
r≦30mL/分:1回75mg1日1回、Ccr≦10mL/分:推奨用量は確立していない[Cc
r:クレアチニンクリアランス]。
2).予防の場合:成人の腎機能障害患者では、血漿中濃度が増加するので、腎機能の低下に応じて、
次のような投与法を目安とする;Ccr>30mL/分:1回75mg1日1回、10mL/分<Cc
r≦30mL/分:1回75mg隔日又は1回30mg1日1回、Ccr≦10mL/分:推奨用量は
確立していない[Ccr:クレアチニンクリアランス]。
<参考>
国外では、幼小児における本剤のクリアランス能を考慮し、次に示す体重群別固定用量が用いられてい
る。
体重15kg以下の幼小児:固定用量はオセルタミビルとして1回30mg(治療に用いる場合は1日
2回、予防に用いる場合は1日1回)。
体重15kgを超え23kg以下の幼小児:固定用量はオセルタミビルとして1回45mg(治療に用
いる場合は1日2回、予防に用いる場合は1日1回)。
体重23kgを超え40kg以下の幼小児:固定用量はオセルタミビルとして1回60mg(治療に用
いる場合は1日2回、予防に用いる場合は1日1回)。
体重40kgを超える幼小児:固定用量はオセルタミビルとして1回75mg(治療に用いる場合は1
日2回、予防に用いる場合は1日1回)。
効能/効果 A型インフルエンザウイルス感染症又はB型インフルエンザウイルス感染症及びA型インフ
ルエンザウイルス感染症又はB型インフルエンザウイルス感染症の予防。
<効能・効果に関連する使用上の注意>
1.治療に用いる場合には、A型又はB型インフルエンザウイルス感染症と診断された患者のみが対象
となるが、抗ウイルス薬の投与がA型又はB型インフルエンザウイルス感染症の全ての患者に対しては
必須ではないことを踏まえ、患者の状態を十分観察した上で、本剤の使用の必要性を慎重に検討し、特
に、幼児及び高齢者に比べて、その他の年代ではインフルエンザによる死亡率が低いことを考慮する。
2.予防に用いる場合には、原則として、インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家
族又は共同生活者である高齢者(65歳以上)、慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患患者、代謝性疾患患者
(糖尿病等)、腎機能障害患者を対象とする。
3.1歳未満の患児(低出生体重児、新生児、乳児)に対する安全性及び有効性は確立していない。
4.本剤はA型又はB型インフルエンザウイルス感染症以外の感染症には効果がない。
5.本剤は細菌感染症には効果がない。
副作用 ドライシロップ剤(1~12歳の幼小児)の承認時までの臨床試験70例において、副作用は3
5例(50.0%)に認められた。主な副作用は、嘔吐17件(24.3%)、下痢14件(20.0
%)等であった(承認時)。
製造販売後の調査2,814例において、副作用は161例(5.7%)に認められた。
主な副作用は、下痢63件(2.2%)、嘔吐40件(1.4%)、低体温23件(0.8%)、発疹
22件(0.8%)等であった[再審査終了時(治療)]。
1.重大な副作用
1).ショック、アナフィラキシー様症状(頻度不明):ショック、アナフィラキシー様症状が現れる
ことがあるので、観察を十分に行い、蕁麻疹、顔面浮腫・喉頭浮腫、呼吸困難、血圧低下等が現れた場
合には投与を中止し、適切な処置を行う。
2).肺炎(頻度不明):肺炎の発症が報告されているので、異常が認められた場合にはX線等の検査
により原因(薬剤性、感染性等)を鑑別し、適切な処置を行う。
3).劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(頻度不明):劇症肝炎等の重篤な肝炎、著しいAST上昇(著し
いGOT上昇)、著しいALT上昇(著しいGPT上昇)、著しいγ-GTP上昇、著しいAl-P上
昇等を伴う肝機能障害、黄疸が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には
、投与を中止し、適切な処置を行う。
4).皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(Tox
ic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明):皮膚粘膜眼症候群、中毒
性表皮壊死融解症等の皮膚障害が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた
場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。
5).急性腎不全(頻度不明):急性腎不全が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認め
られた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行う。
6).白血球減少、血小板減少(頻度不明):白血球減少、血小板減少が現れることがあるので、観察
を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行う。
7).精神・神経症状(頻度不明):精神・神経症状(意識障害、異常行動、譫妄、幻覚、妄想、痙攣
等)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、症状に応
じて適切な処置を行う。
8).出血性大腸炎(頻度不明):出血性大腸炎が現れることがあるので、血便、血性下痢等の異常が
認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
2.その他の副作用:次のような副作用が現れた場合には、症状に応じて投与を中止するなど、適切な
処置を行う。発現頻度は承認時までの臨床試験及び製造販売後調査の結果をあわせて算出した。
1).皮膚:(頻度不明)皮下出血、(0.1%以上)発疹(0.8%)、紅斑(多形紅斑を含む)、
(0.1%未満)蕁麻疹、皮膚そう痒症。
2).消化器:(頻度不明)口唇炎、血便、メレナ、吐血、消化性潰瘍、腹部膨満、口腔内不快感、食
欲不振、(0.1%以上)下痢(2.8%)、嘔吐(2.0%)、腹痛、悪心、(0.1%未満)口内
炎(潰瘍性口内炎を含む)、便異常。
3).精神神経系:(頻度不明)眩暈、頭痛、不眠症、感覚鈍麻、悪夢、(0.1%未満)激越、嗜眠
、傾眠、振戦。
4).循環器:(頻度不明)上室性頻脈、心室性期外収縮、心電図異常(ST上昇)、動悸。
5).肝臓:(頻度不明)γ-GTP増加、Al-P増加、(0.1%以上)ALT増加(GPT増加
)、AST増加(GOT増加)。
6).腎臓:(頻度不明)血尿、蛋白尿。
7).血液:(頻度不明)好酸球数増加。
8).呼吸器:(頻度不明)咳嗽、(0.1%以上)鼻出血、気管支炎。
9).眼:(頻度不明)視覚障害(視野欠損、視力低下)、霧視、複視、眼痛、(0.1%未満)結膜
炎。
10).その他:(頻度不明)疲労、不正子宮出血、耳障害(耳灼熱感、耳痛等)、浮腫、血中ブドウ
糖増加、背部痛、胸痛、(0.1%以上)低体温(0.8%)、(0.1%未満)発熱。
使用上の注意 (警告)
1.本剤の使用にあたっては、本剤の必要性を慎重に検討する。
2.10歳以上の未成年の患者においては、因果関係は不明であるものの、本剤の服用後に異常行動を
発現し、転落等の事故に至った例が報告されている。このため、この年代の患者には、合併症、既往歴
等からハイリスク患者と判断される場合を除く10歳以上の未成年は、原則として本剤の使用を差し控
える。また、小児・未成年者については、万が一の事故を防止するための予防的な対応として、本剤に
よる治療が開始された後は、小児・未成年者については、①異常行動の発現の恐れがあること、②自宅
において療養を行う場合、少なくとも2日間、保護者等は小児・未成年者が一人にならないよう配慮す
ることについて患者・家族に対し説明を行う。なお、インフルエンザ脳症等によっても、同様の症状が
現れるとの報告があるので、インフルエンザ脳症等によっても、①異常行動の発現の恐れがあること、
②自宅において療養を行う場合、少なくとも2日間、保護者等は小児・未成年者が一人にならないよう
配慮することについて患者・家族に対し説明を行う。
3.インフルエンザウイルス感染症の予防の基本はワクチン療法であり、本剤の予防使用はワクチン療
法に置き換わるものではない。
(禁忌)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある者。
(慎重投与)
高度腎機能障害患者。
(重要な基本的注意)
1.本剤は腎排泄型の薬剤であり、腎機能低下している場合には血漿中濃度が高くなる恐れがあるので
、本剤の投与に際しては、クレアチニンクリアランス値に応じた<用法・用量に関連する使用上の注意
>に基づいて、状態を観察しながら慎重に投与する。
2.細菌感染症がインフルエンザウイルス感染症に合併したり、インフルエンザ様症状と混同されるこ
とがあるので、細菌感染症の場合には、抗菌剤を投与するなど適切な処置を行う。
(高齢者への投与)
国外で実施されたカプセル剤による臨床試験成績では、副作用の頻度及び種類は非高齢者との間に差は
認められていないが、一般に高齢者では、生理機能(腎機能、肝機能等)の低下や、種々の基礎疾患を
有することが多いため、状態を観察しながら投与する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に投与する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると
判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない、動物実験(ラット)
で胎盤通過性が報告されている]。
2.授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせる[ヒト母乳中へ移行することが報告されている]。
(小児等への投与)
1.1歳未満の患児(低出生体重児、新生児、乳児)に対する安全性は確立していない。
2.国外で実施されたドライシロップ剤による第3相治療試験において、体重8.1kg未満の幼小児
に対する使用経験はない。
(過量投与)
現時点では、過量投与による有害事象が発生したとの報告はないが、国外での健康成人を対象としたカ
プセル剤による第1相臨床試験において、1回200mg以上の投与により嘔気、嘔吐、眩暈(浮動性
眩暈)が報告されている。
(その他の注意)
1.国内で実施されたカプセル剤による第3相予防試験において、糖尿病が増悪したとの報告が1例あ
る。また、国外で実施されたカプセル剤による第3相予防試験では、糖代謝障害を有する被験者で糖尿
病悪化又は高血糖が7例にみられた。非臨床試験においては、臨床用量の100倍までの用量において
糖代謝阻害は認められていない。
2.国外で実施されたカプセル剤による慢性心疾患患者及び慢性呼吸器疾患患者を対象とした第3相治
療試験において、インフルエンザ罹病期間に対する有効性ではプラセボに対し有意な差はみられていな
い。しかし、本剤投与によりウイルス放出期間を有意に短縮し、その結果、発熱、筋肉痛/関節痛又は
悪寒/発汗の回復期間が有意に短縮した。
3.国外で実施されたドライシロップ剤による慢性喘息合併小児を対象とした第3相治療試験において
、有効性を検証するには至っていない。一方、安全性において特に大きな問題はみられていない。
4.シーズン中に重複してインフルエンザに罹患した患者に本剤を繰り返して使用した経験はない。
5.国外ではドライシロップ剤及びカプセル剤による免疫低下者の予防試験において、12週間の投与
経験がある。
6.幼若ラットの単回経口投与毒性試験において、オセルタミビルリン酸塩を394、657、788
、920、1117、1314mg/kgの用量で単回経口投与した時、7日齢ラットでは薬物に関連
した死亡が657mg/kg以上で認められた。しかし、394mg/kgを投与した7日齢ラット及
び1314mg/kgを投与した成熟ラット(42日齢)では死亡は認められなかった。
7.幼若ラットの単回経口投与トキシコキネティクス試験において、毒性が認められなかった用量にお
けるオセルタミビルの脳/血漿中AUC比は、7日齢ラットで0.31(394mg/kg)、成熟ラ
ット(42日齢)で0.22(1314mg/kg)であった。
(取扱い上の注意)
1.使用期限内であっても開栓後はなるべく速やかに使用する。
2.吸湿性があるので、開栓後密栓・防湿。
3.開栓後4週間以上保存する場合は、冷蔵庫又は冷所(10℃以下)で保存する。なお使用時は、結
露を避けて開栓する。
(保険給付上の注意)
本剤は「A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の発症後の治療」の目的で使用した場合にのみ保
険給付される。
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タグ:タミフル 添付文書
2013-10-17 20:13
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